日本人として朝鮮学校に向き合い 社会の閉塞感を変えていきたい
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京都大学大学院
人間・環境学研究科 共生文明学専攻(文化人類学分野)
竹田 響さん
プロフィール
- 1992年7月生まれ
「チェックイン時に、朝大生が持っていた 『再入国許可証』なるものを初めて目の当たりにしました。……その『再入国許可証』の裏表紙に、『この証明書は何ら国籍を証明するものではない』と書いてあるのを見た時、衝撃を受けました。日本で生まれ、日本で暮らしているにもかかわらず、なぜ日本に戻ってくるのに『許可』をもらわなければならないのか、非常に強い憤りのようなものを覚えました。これが、自らのアイデンティティーについて、そして『在日コリアン』と呼ばれる人々について考えるきっかけになりました」
「私は日本人なので、当事者の方たちが守りたいと思っているものを守れるように手助けをしながら、今の日本社会の閉塞的な雰囲気を変えていきたいです。……当事者の精神的な痛みは消えないけれど、やった側は全く自覚していない。それで今の日本があるように思います。自分はやった痛みを加えた側、今も加えている側に属していますが、属しながら、それでも私と同世代、また私より下の世代の人びとが関心を持つように働きかけていくとか、向き合い続けることが大切なのではないかと。ゴールはまだわかりませんが」(本文より)
イベントでの日朝文化の混合
金淑子昨日の東京朝鮮第九初級学校の夜会はどうでしたか?
竹田響夜会は初めてでした。京都でも誘われたのですが、日程が合わなくて。面白かったのは提灯が沢山並んでいたことです。提灯って朝鮮にはありませんよね。先生方も保護者の皆様もあまり意識していないのかもしれませんが、日本の文化を取り入れている点が面白いと思いました。また、特に第九初級の場合は、地域とのかかわりが深いので、杉並区と書いてあるテントがあるんですよね、それを学校がずっと持っていて。ほかのハッキョではあまり見たことがありません。
金それは杉並区のテントということですか?
竹そうです。例えば神奈川のハッキョに横浜市のテントは置いていないと思います。望ましいことだけれども、東京第九以外ではまだできていないということです。周りの学校のPTAの方たちも夜会にいらしていて「十年くらい来ている」とおっしゃっていました。深くかかわって朝鮮学校をよく知っているわけではないけれど、そうしてずっとつながり続けるというのもいいなと思いました。そういう地域とのつながりがあって、在日朝鮮人社会には日本の形がうまく混ざっているなと改めて思いました。
二〇一五年に愛知中高級学校の運動会に行った時は、統一旗を掲げた中で、朝鮮の音楽がガンガン流されていて、周りに住んでいる人たちはそれをどう感じているのだろうと思っていました。周辺の日本人との関係は興味深いです。
東京第九の「阿佐ヶ谷朝鮮学校サランの会」は、金日宇さんに紹介してもらって、去年の九月に初めて参加させてもらいました。
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