ウリハッキョを発信の場にスタートした｢坂道ぷろじぇくと｣

プロフィール

在日本朝鮮青年同盟
京都府本部委員長
金英鉉さん

1985年３月　京都生まれ
2003年　京都朝鮮高級学校卒
2007年　朝鮮大学校　政治経済学部卒　朝青京都へ
2014年から現職

祖国や民族を愛する気持ち
同胞だれもが心の中に

金淑子いつから京都の朝青で活動しているんですか？

金英鉉委員長二〇〇七年度からです。

金当時京都の朝青には何人くらい専任活動家がいたんですか？

金委員長当時は多かったです。十人くらいいたと思います。

金当時はどんなことに力を入れていたのでしょうか？

金委員長支部の活動を活性化させることに力を入れていました。今のように学校のことに目をやるよりも、朝青一本でやっていた印象があります。

金朝青の活動では、何より会員を集めることが大切ですよね。

金委員長そうですね。朝高卒業生と日本の高校の卒業生たちが対象です。当時はハングル講座なんかもしていました。

金当時の成果は？

金委員長僕はこのころに朝青員、同胞たちとどのように接していくのかを学びました。育ててもらったと思っています。あらゆる階層がいて、朝高卒業生も日本の学校卒業生もいて。そういう様々な背景を持った朝青員たちが集まる場をどのように作ればいいかを考えるようになって、頭をたくさん使いました。

金日本の学校の生徒と活動するのは初めてでしたか？

金委員長高級部の時に学生会(日本の学校に通う同胞生徒の会)と一緒に演劇をしたことがありました。当時は同年代の生徒たちだけでしたが、朝青は先輩もいれば後輩もいます。

金専任になって、今までの朝青活動とは違ったと思うのですが。

金委員長何よりも強く感じているのは、同胞たちの中に平素は外に出していなくても、祖国や民族を愛する気持ちが必ずあるということです。それを私たちが刺激すれば必ず表面化されます。その瞬間がうれしくて、それを知ってから活動が楽しくなりました。

金そういう気持ちを持っている同胞というのは、ウリハッキョ卒業生ですか？

金委員長そういう場合が多いですが、日本の学校出身のトンムたちも、これまで内面の世界を表現する経験がなかっただけで、持っていると思います。私たちの文化に一度も接したことのないトンムたちは、成長する過程が感激的だというか。

｢統一｣は会いたい人に会って、
行きたいところに行けること

金京都は留学生同盟の活動も盛んですよね。朝青と留学同のコラボも多いんですか？

金委員長祖国統一事業と、高校無償化適用を求める火曜行動を一緒にしています。

金祖国統一事業というのは具体的にどんなことをするのですか？

金委員長一昨年の九月に、京都ワンコリアネットワーク(ＫＯＮ)というのを朝青、留学同、韓青の三つの団体で立ち上げました。統一のために、｢わが民族同士｣という理念に基づいて、まず京都府内の青年たちが団結して互いを理解する機会を作ろうと、主に学習会をしました。昨年は６・15共同宣言十七周年、10・４宣言十周年ということで、６・15の時はパーティースペースを借りてパーティーをして、10・４の時には｢ソン　チャバボヂャ(手をつなごう)｣というタイトルで、公演をしました。そこには南から｢ウリナラ｣バンドも参加しました。私たちも公演して。そうして内部を固める事業と交流を深める事業、そして同胞たちに発信する事業をしました。

金公演は同胞たちが観覧したんですか？

金委員長出演者八〇人も入れて、三五〇人ほどが集まりました。

金評判はどうでしたか？

金委員長非常に良かったです。来た方が皆感動をして。

金やってみてどうでしたか？　難しいこともあったと思うのですが。

金委員長難しいことは何をするときもありますが、難しいというよりも楽しかったです。三団体が一緒にしたので、その過程が交流にもなって、一緒にする時間が多くなると、統一に対する意識も高まって。

金朝青から何人くらい出演したんですか？

金委員長五十人くらいです。

金そういう活動をしながら描く統一とは？

金委員長留学同中央の洪滉仁副委員長が以前インタビュー(46号)で、休戦状態から脱して、南北で統一について合意し、軍事境界線が無くなることと、言っていましたが、もちろんそれが重要だと思います。でもほかの角度から考えるなら、私は何よりも会うことだと思います。６・15で｢わが民族同士｣という理念が示されて、統一は現在進行形だと言われました。統一という合意はなされていなくても、会った時の雰囲気は、統一された雰囲気だったと思います。会えなかった人たちが会って、行けなかったところに行ったことで。人民のレベルで考える時、それが統一ではないかと。統一に合意したとしても会えなくて、行けないなら、今と変わらないのではないかと思います。もしどちらかが吸収統一をしたら、それは私たちが願う統一ではないので、統一されても会いたいと思うのか、行きたいと思うのか、疑問です。会いたいから会って、行きたいから行くという状態が統一だと思います。現在進行形というのは、そういうことではないかと思います。

金平昌オリンピックにはいくんですか？

金委員長はい、行きます。

金どんなことが楽しみですか？

金委員長競技の成績よりも、これまで日本で会った南の人たちとあっちで会うのが何よりも楽しみです。彼らには連絡しました。

金昨年夏にモンダンヨンピルが京都で、日本の大学に通う同胞生徒や学生を対象にイベントをしたという話を聞きました。

金委員長金明俊監督が主催して、南側の青年たち二〇人ほどと留学同を中心にした日本の大学に通う青年たちの交流会がありました。｢ウリトレ｣というイベントで、二泊三日でウトロに行って公演したり、炊き出しをしたりして、ウリハッキョも訪ねました。私はいくつか一緒に参加したのですが、全般的なことはわかりません。参加した人たちは、会って統一に関する話をして、自分の問題だと思うにようになったんじゃないでしょうか。統一は普段は身近な問題ではないので。良かったと思います。