同胞たちがこぞって一歩前に踏み出せる歌を(朝大研究院予科・宋知香さん)
スポンサードリンク
インタビューを終えて
金淑子
昨年秋に神奈川中高の文化祭に参加した本誌編集者の金日宇が、「あの歌は、ほかの人には歌えない。これまで聞いてきた歌とは、迫力が違う」と宋知香さんの歌う「ソリヨ モヨラ ノレヨ オノラ」の感動を繰り返し口にしていた。それを聞いていつか話を聞きたいと思っていた。*本誌53号52頁参照
インタビューをお願いすると、心よく応じてくれた。四月に高田馬場のコーヒーショップで待ち合わせて話を聞いた。
礼儀正しくて、時に浮かべる笑顔にあどけなさが漂った。
総連活動家の家庭に育ち、初級部から一貫して民族教育を受けた。朝鮮半島の北と南の人々に強い絆を感じて、統一を心から願い、そのために何ができるかを考える。一方、プライベートでは嵐やK―POPグループのファンで、今はJ―POPの女性歌手のファン。シンガー・ソングライターとしてライブハウスで日常を歌い、ライブ仲間といろいろな話をして、互いのライブを聴きに行く。昔の朝鮮大学生なら「二重生活」と批判を受けそうだが、在日朝鮮人の文化と日本の大衆文化を自然体で受け入れて、うまく融合させている。
以前、留学同の座談会で、朝鮮学校中級部の頃にインターネットを始めて、朝鮮人へのヘイトスピーチが溢れるサイトを見てひどく落ち込んだという話を聞いた。日本の高校進学の準備をしていたが、自分についてもっと知りたいと思って朝鮮高級学校への進学を選んだと話していた。宋さんも初級部高学年の頃にインターネットを始めた。「そういうサイトにもよく行きました。でもそれはそれで、引き込まれて自分の存在について悩んだりすることはありませんでした。こういう現実を何とかしなくちゃいけないんだろうなとは思いましたが」と話す。
日本社会で朝鮮人を好ましく思わない人が多いことは、幼い子どもでも日々の生活を通じて感じ取る。十歳にもならない幼い子どもが、家では「オンマ」と呼んでいるのに人混みでは「お母さん」と呼ぶという話もよく聞く。そんな社会環境で育って思春期を迎えた頃に、インターネット上にあふれるヘイトスピーチを目にしたとき、それにどう対応するのか? 「そんなはずはない」と朝鮮についてもっと知ろうと思うのか、その情報を信じて「自分はなぜ日本人に生まれなかったのだろう」と出自を恨んでしこりを抱えたまま生きるのか。そのときの対処は、人生を大きく左右する。民族教育が大切な所以だ。
「遠ざかっていった障がいをもった同胞たちも、一緒に統一を喜べる環境づくりをしたい」という知香さんの言葉にはいろいろ考えさせられた。一九九〇年代に朝鮮新報社の記者をしていた頃、日本の学校の先生(「パラムピッ」ギャラリーコンサート)に連れられて、同胞の子どもが学ぶ広島の養護学校を訪ねたことがある。先生は「週に一度朝鮮学校に連れて行くと、朝鮮の名前を呼び合って、表情が明るくなるんですよね。障がいをもつ在日朝鮮児童の民族教育も考えてほしい」と述べていた。ジェンダーの問題もそうだった。学びのチャンスをもらいながら、それを生かせなかった。それらの課題に真剣に取り組む若い世代を目の前にすると、バトンタッチできる物を持っていない自身の無力さと、少しずつでもこつこつと積み重ねることの大切さを改めて感じる。
fbに歌をアップしたことから始まった知香さんの経験は、今の時代の様々な可能性を示している。一人ひとりが自分の思いを明らかにすることで、小さな流れができて、そんな流れが合わさって、いずれ何かができるかもしれない。思うだけでは、心に秘めているだけでは何も変わらない。一歩前に踏み出すために、一度知香さんの歌を聞いてみてはどうだろう。55
金淑子>>>fb5・3
송지향씨 부르는 “가장 늦은 통일을 가장 멋진 통일로”를 들으면서 이 세대 동포들이 분단으로 인한 마음의 벽을 모르고 자란 세대라는 걸 알았다. 북에서도 남에서도 사랑 받고 자란 세대. 조선학교에서 통일의 기적이 일어나고 있다!
スポンサードリンク