同胞たちがこぞって一歩前に踏み出せる歌を(朝大研究院予科・宋知香さん)
スポンサードリンク
ウリハッキョに障がい者
受け入れの枠組みを
金朝大を卒業するときに進路をどのように選択したのですか?
宋入学当時から研究院を希望していました。
金どこかほかの大学に通っているのですか?
宋いいえ、朝大で授業を受けて勉強しています。
金音楽科は二年制ですよね。研究院に残って大学院に入るためにはどうするのですか?
宋研究院予科で二年間学べば、学士の資格がもらえます。その資格も持って大学院の入学試験を受けます。
金これまでもそうして大学院に入った例があるのですか?
宋はい、あります。
金音楽科を出て、フリーで歌手活動をしている卒業生が何人かいると思うのですが、連携はあるのですか?
宋偶然同じ公演に出て、知り合うことはよくありますが、特にそういう集まりがあるわけではありません。
金なぜ音楽療法士を目指そうと思ったのですか?
宋インターネットを始めた初級部の頃から福祉やボランティアにも興味があってよく検索していました。本を通じて、音楽を福祉に生かせる道があるのを知って興味を持ちました。高級部になって、進路を考えるようになって、さらに興味を持っていろいろ調べました。音楽科在学時に、「TUTTI」(在日朝鮮人障がい者の音楽サークル)をテーマにした論文を書きました。そのためにいろいろ調べながら、同胞社会ではまだ福祉に関心が少ないことを知りました。そのせいで同胞社会から仕方なく遠ざかっていった人たちがいることを知りました。彼らのことを思うと、もしも今統一されても喜べないと思いました。そうして遠ざかっていった障がいをもった同胞たちも、一緒に統一を喜べる環境づくりをしたいと思いました。そのために音楽療法で、彼らが集まれる場所を作れたらと思っています。
まずはウリハッキョに障がいをもった子どもたちを受け入れられる枠組みを作ることが大切なので、特別支援への関心を広めていけたらいいなと思います。今も一部で障がいをもった児童・生徒を受け入れているのですが、数は多くありません。担当の先生に任せられている部分が大きくて、その負担は非常に大きいと思います。生徒の個性や障がいの種類や程度は様々なので、一律でどうこうできるものではないのですが、せめて困った時に頼れる存在になれればと。
金「TUTTI」でも活動していたのですか?
宋はい、音楽科での二年間は。もっと多くの朝大生、特に教育学部の学生たちが参加すればいいのになと思っていました。教育現場に出れば、必ず支援が必要な子どもたちに出会うことになるはずです。その時のためにも参加すればいろいろ学べるのにもったいないと思っていました。音楽療法をやりたいと思ったもう一つの理由が、「TUTTI」では朝鮮の音楽を使うのですが、皆すごく楽しんでいるのが伝わってきて、もっと幅広い人たちにこういう場を提供できたらいいなと思ったからです。
金日本社会で障がいを持った人が暮らすのは決して楽じゃないと思うのですが、在日朝鮮人はなおさらなのでしょうね。
宋はい。私もわかっていることは何もないのですが、マイノリティーの在日朝鮮人が生きていくだけでも大変な日本社会で、さらに障がいを抱えて生きていくと考えただけで、大変なことだと思います。例えば就職時に、在日朝鮮人だからと、不利な状況に追いやられているかもしれないと思うと、厳しいなと。
金障がいを持つ人たちに関心を持ったきっかけは?
宋幼いころからの蓄積だとは思うのですが、昔からテレビなどから流れてくる障がい者の情報に敏感でした。一緒に楽しく在日朝鮮人として在日朝鮮人運動を展開できればいいと思っています。
スポンサードリンク