朝青班活動で｢金日成青年栄誉賞｣受賞 在日朝鮮人という存在を消してはいけない

朝青員が一つになって
金日成主席への贈り物準備

金｢金日成青年栄誉賞｣を受けられたと聞きましたが、いつのことですか？

呉一九七七年です。四月の金日成主席の六五歳の誕生日を前に、何かウリナラの建設に役に立つ機材を送ろうという運動が繰り広げられました。足立支部も何かやろうということになって、朝青の各班で運動をしたのですが、結局のところカンパ集めでした。総連でも女性同盟でも一緒に運動をしていたのですが、朝青が集められる金額は大きくはありませんでした。そこでお金を作ろうということになって、同胞に頼んでヘップのかかと部分を貼る作業を班で下請けさせてもらって、毎晩分会事務所に集まって皆でやったり、先輩のお好み焼き屋さんの定休日にお客さんを呼び込んで売り上げをカンパしてもらったり、日曜日に同胞の会社で荷積みをさせてもらって日当を寄付に充てたりしてお金を集めました。

金やってみてどうでしたか？

呉あの時は楽しかったです、一つの目標をもって皆で一緒にやるというのが。金日成主席には絶対的なカリスマがあって、高齢の人たちにも若い世代にも特別な存在だったので、心が一つになっていました。雰囲気も良かったです。そういう中で結婚した人たちもいます。興野班だけでも十数人いて、会う機会が多かったですからね。班長をしていたのですが、皆が協力してくれるのでやりがいを感じていました。普段の付き合いの大切さも改めて感じました。

金そういう功績が認められて｢栄誉賞｣を受けられたのですね。

呉それまでそういう賞があることさえ知りませんでした。七四年に設けられた賞だそうです。朝鮮大学校卒業生の何人かが受けていたようですが、朝大卒業生でもない、専任の活動家でもない、朝青班長がもらったのはこの時が初めてだと聞いています。だから初めて受賞の話を聞いた時は｢何それ？｣という感じでした。周りでは｢すごいことだよ｣と言っていましたが。まあ、自分がやったというよりはみんなで一緒にやったことが評価されて、代表でもらったということですね。うれしかったですが、その後のプレッシャーも大きかったです。

伝達式を報じる1977年５月31日付の｢朝鮮新報｣

金表彰はどんな形で？

呉朝鮮出版会館で表彰式がありました。兄が朝鮮新報社の記者をしていて、自分が取材した記事をスクラップして保管しているのですが、この時の記事もあったので、借りてきました。当時の韓徳銖議長や李珍珪副議長、総連東京都本部委員長や朝青中央委員長ら百人くらい集まって、私一人のための伝達式が行われました。緊張しました。決意表明もして。これで、徐々に後ずさりして自然消滅しようという道は絶たれました(笑)。

金集会を取材したお兄さんも誇らしかったですね。そのあと班でお祝いとかしたのですか？

呉おそらくやったと思います。でももらったことでプレッシャーがありました。卓球をやっていて、体育協会の忘年会や卓球協会の練習に行くと｢お、金日成青年栄誉賞！｣とはやし立てられたりして。

金その後も朝青活動を続けられたんですね。

呉三二歳までやっていました。班長は後輩に引き継いで、足立支部の宣伝部長をやって、副委員長をやりました。出勤前の早朝に支部の朝青室に集まって回想記を学習したりして、結構真面目にやっていました。自転車行進とか、デモとか、活動も盛んでした。集まりが終わるといつも飲み会でした。当時の常任委員たち、五、六人でしたが、そのきずなは今も生きています。朝青での活動を総連につなげていかなくてはと考えていたので、｢朝青卒業したら、最低でも副分会長はやらなきゃな｣というような話をよくしていました。地域の活動に対する自負のようなものがありましたね。

総連東京・足立支部・保木間分会分会長・呉勝仁さん