「朝鮮人」実感したウリナラ訪問 活動通じ、思い伝える難しさ学ぶ
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「在日朝鮮人」ではない
「朝鮮人」を実感したくて
金どうでしたか、四年ぶりの朝鮮は?
全前回行った時は、空港はできて間もなくてまだ小さかったのですが、すっかり大きくなって、街並みも変わっていました。何よりも平和的雰囲気に驚きました。前回板門店に行った時は緊張感が漂っていたのですが、今回は兵士が皆笑顔で、「よく来た」と迎えてくれました。説明する兵士の物腰も柔らかくて、南の方からきている人たちがすぐ近くまで来ていました。平壌には高層住宅が林立していて、特にリョミョン(黎明)通りには驚きました。人通りも多くて、服装も多彩で、活気がありました。
金四年前の修学旅行は、どうでしたか?
全幼稚園から民族教育を受けてきて、教科書で習ったことがずっと気になっていました。でも行くチャンスがなくて、高三の時に、友だちと一緒に行けたのは良かったです。高校生活は楽しかったです。
金高級部の時に修学旅行で行くのと、大学生になって留学同の代表で行くのとでは違いますか?
全全く違います。何よりも学習意欲が違います。留学同活動をしながら祖国を知って、祖国に対して自分の意見を持つことが大切だと思っていたので、そのために今回行きたいと思いました。もちろん楽しみたいという思いもありましたが、第一の目的は学ぶことでした。高級部の時とは目的が全く違いました。
金何を知りたかったのですか?
全日本に住みながら、「朝鮮人」という意識がなかなか持てなくて。本や映像で学ぶだけでなく、朝鮮に行ってそこで暮らす人たちの話を直接聞いて、いろいろ考えたいと思いました。いわゆる「在日朝鮮人」ではなく、日本にいる「朝鮮人」なのだと感じたかったのです。
金それは朝鮮に住む「朝鮮人」と日本に住む「朝鮮人」の違いを知ることでもありますね。
全そうですね。でもこれからの在日朝鮮人運動を引っ張っていくためには、それを知ることが大切だと思っています。
金朝鮮に住む「朝鮮人」と距離を置くということ?
全あまり距離を置きたくないと思っています。ウリハッキョに通いながら朝鮮人であることがあまりにも当たり前だったので、留学同活動の対象になっている日本の学校に通っている在日朝鮮人に、「なぜ朝鮮人として生きるのか」ということをしっかりした言葉で自信を持って伝えられなくて、その部分をもう一度確認するために朝鮮に行きたいと思っていました。今回、行って、行かないとわからないことが沢山あったなと思いました。
金どんなこと?
全在日朝鮮人は、朝鮮に住む人たちを遠い存在のように感じていますが、朝鮮に住む人たちは在日朝鮮人を同志として家族のように思ってくれています。それを知ってしまうと、自分自身を「在日朝鮮人」のくくりの中だけでみるのはちょっと違うような気がしました。朝鮮半島から渡ってきたのは、祖父母やもっとさかのぼった世代の話で、歴史の話のように思っていましたが、勉強することでより身近に感じる事ができました。
金どんな勉強をしたのですか?
全今回、いろんな博物館に行ったのですが、教科書の中のことが目の前に展開されて、ガイドの人、家族と言ってくれる人たちが、植民地当時の話などを怒りに燃えたり涙を流したりしながら解説してくれるのを聞いて、自分たちと同じ歴史が重なったというか。ウリハッキョで勉強したことを、あまりにも当たり前のこととして見過ごしていたなと、改めて感じました。
金現在のことについてはどう思いますか?
全朝鮮に行った後は学習意欲が高まって、「高校無償化」問題の背景についてもいろいろ勉強しました。すると歴史を覆い隠そうとする日本側に対して感情的になったというか、だんだん腹が立ってきました。それが今の原動力にもなっています。
金どういう資料で学習するのですか?
全留学同の常任委員会で、年間の学習計画を立てて、その計画に基づいて宣伝文化部が、対象に応じた図書を推薦してくれたり、月刊「イオ」の特集を抜粋して送ってくれたりして資料を提供してくれます。主に本ですね。
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