朝鮮学校の良さ発信して連帯広げ、世論で敗訴覆そう
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歴史について
生き辛さのはけ口
排外主義、バッシング
金生きづらいという人は今の日本社会で増えているのでしょうか?
長崎そうですね。一つは働き方がひどくなっている中で生活が不安定になっている方が多い。私は保育園でずっと働いてきて、いわゆる貧困の連鎖が固定化してきているなと感じています。母子家庭で子どもを預けていて、その子がまた母子家庭になって保育園に子どもを預けに来る。こういうことを言うと母子家庭だからちゃんと育たないからだという誤った偏見を育てますが、貧困が固定化する家庭の場合は助ける親族も少ない場合が多いんですよね。離婚をして帰ってきても実家が家を持っていて、ある程度財政援助をできる家であれば、母親は実家の援助を受けながら貧困を避けることができるけれど、もともと十分愛情を受けられなかった、ネグレクトというのですか、そういう中で育った子どもはその家庭から逃れるために早い時期に結婚してもうまくいかなくて別れてしまうことがある。高校も十分に出ない形で そうなった場合はかなり厳しい。今は大学を出ても貧困が固定化するような時代ですから。
あと生き辛さというところで言うと、同調というんですかね、朝鮮学校に来てくれたり、SCM(キリスト者学生運動)にも来てくれる若い学生さんと話していると、ラインとかSNSとかネットが発達していますが、「そうだ、そうだ」という中でほかのことを言うことがためらわれてしまう、変だなと思っていても物が言えないという状況があります。女性の場合で言うと、特に派遣のような不安定な形で働いていると、飲み会の時に体を触られたり、お酌を強要されても次の年度に雇ってもらえるかわからないので、強く言えなかったりというような事、障がい者の方々、精神疾患を持った方が仕事を続けるうえで大変なことがいろいろありますし、性的少数者の方々に対しても政治家が「生産性がない」などと問題発言をしていました。まだまだ偏見は強いかなと。今のように排外主義が広まる中で、そういう生き辛さを抱えてしまっている人々がはけ口にしてしまっているのが、「慰安婦問題の日韓合意を破棄するのはあかん」とか、朝鮮学校についても「そんなんなら朝鮮に帰ればいいねん」「北朝鮮から金もらえばいい、国民の血税なんか朝鮮人に使えるか」とかいう主張になってしまっていると思います。在日朝鮮人の方々が納税していることも、彼らの税金が国や自治体の予算に入っていることも知らないでそういう主張になってしまうんですよね。生き辛さが厳しくなればなるほど、自分をいじめている権力やシステムに怒りが行くのではなくて、身近なところでたたきやすい人たちに行く。ある意味公務員バッシングも、労組バッシングも妬みを利用していますよね。今どんどん働き方がひどくなっている中で、安定した働き方をしている人たちを妬んでそこから引きずりおろして、労働条件を悪くしろというようなところに行ってしまっていますね。
金一緒にアップしようというふうにはならないんですね。
長崎そうですね。私は土井たか子さんを尊敬していましたが、土井さんは「政治家の仕事というのは希望をつないで組織化することであると、憎しみや不信を煽動するのは政治家の仕事ではない」とおっしゃっていたのですが、今まさに本当にそういうことが政治家の仕事になっていると思います。
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