朝大卒業生ならではの視角で一緒にできることがあるはず
スポンサードリンク
学生たちはLINE世代
卒業生たちの勉強会開きたい
金朝大学生委員会の指導員もしていましたよね。学生全般を見て感じることは?
李学生たちはLINE世代ですね。コミュニケーションの主役はSNSです。昔にくらべて直接会って話すことが少なくなっています。
金校内でもそうですか?
李そうです。基本がLINEだったり、インスタグラムだったり。直接話したことはないけれど、LINEでは話したことがあるという感じです。
金先生もLINEですか?
李私も今はLINEを使っています。学生たちはそれが便利なようなので。でも呼び出したり、時間を伝えたりするだけで、寄宿舎に訪ねて行ったりして必ず会うように心がけています。昔に比べて会って話す機会は減っていて、少し苦手なのかなと感じます。
金忙しいからなのでしょうか?
李忙しいというより、そういう世代なのでしょうね。幼いころからそれが普通なので。黒板を写真に撮る学生はよくいます。撮った写真を送ってくれと頼む学生も。それを後でみてくれればいいのですが…。
金ロボットやAIの進歩に、いろいろな危惧を唱える声も出ていますが。
李AI(人工知能)についていろいろ言われていますが、AIにも限界があると思います。いま言われているほど速いスピードですべてが変わるとも思っていません。まだ難しい点も多いので。時代が変われば新たな仕事が生まれると思います。昔は農民が五〇%以上を占めていたけれど、今は違う。でも食料の生産量は高まっている。時代が変われば文化も変わって仕事も変わるのだと思います。
ロボットの研究をすればするほど、人間の偉大さを実感します。ロボットはプログラム通りにしか動きませんが、人は感情でパフォーマンスが変わります。人の可能性は無限大で面白いです。学生たちと接しながら、うまくいくこともあればそうでないこともあるけれど、人間だからそうなのだと。
金将来の夢は?
李まだ答えを見つけられていません。工学を学んで教壇に立っていますが研究もまだまだ中途半端で、今は自分の武器が何なのか明らかにしていっている最中です。レゴ教室をしたりしていますがそれは自分の専攻とは少しずれていて、まだ自分が何をもって同胞社会、そして祖国に貢献できるのか、周りの人たちの未来をよりよくするために寄与できるのか、まだその手段を探せていないので、それを見つけなくてはいけないと思っています。
金自分にしかできないことですね。
李そうです。自分にしかできないこと、今の社会に本当に必要なもの、まだ誰も見つけていないけど必要なものを見つけて、祖国の技術者のように自力で突破していかなくてはいけないと思っています。
金それは工学分野に限ったものではなくて?
李もちろん自分の武器である工学分野で見つけたいです。情勢が変わっていく中で、皆が幸せに暮らせる社会を、皆の夢を実現するために自分に何ができるのか、それを早く見つけて力を集中したいです。三四歳なので、早くしなければいけないのですが…。同胞科学者には本当に偉大な先輩が多くて、先日も張炳泰前学長の追悼式がありましたが、そうした先輩たちに歩みを合わせていきたいと思っています。未熟で実力も足りないので、とりあえずできることからやろうと、目の前のことから取り組んでいる現状です。
一昨年に理工学部の同窓会ができて、活動をスタートしたところです。工学分野では最近卒業した卒業生を中心に、引き続き一緒に勉強できる場を作ろうと思っています。
学生たちにも、技術は引き続きどんどん進歩するので、就職がゴールではないと話しています。卒業はあくまで人生の第一歩で、二歩目、三歩目はまだ予測がつかない、だから 卒業しても引き続き一緒に考えていこうと話しています。科学技術は常に更新が必要です。視野を広くもって実力を積んでいけば、朝大卒業生ならではの視角で、一緒にできることがあると思っています。
高級部の生徒たちには、環境の整った日本の大学を選ぶ気持ちもわかるけれど、今は時代が変化するときなので、実力プラスアルファが必要だ。そのアルファを育てられるのが朝鮮大学校なので一緒に頑張ろうと、全国の高級学校を回りながら話しています。朝鮮大学校には足りないこともあるけれど、少しでも同胞社会や祖国への思いがあるなら、これからの時代を担っていくために必要な力は朝鮮大学校だからこそ育てられると、一緒に未来を開拓していこうと呼びかけています。
スポンサードリンク