朝大卒業生ならではの視角で一緒にできることがあるはず
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学生たちの満足度高めるために
一緒に同胞社会に貢献したい
金今回のウリナラ訪問で新たな道がまた見えたのではないですか?
李金策工業総合大学の創立70周年国際学術討論会で研究発表するなど、考えもしませんでした。そもそも教員になる気もなかったので。
金教員になってみてどうですか?
李責任の重い仕事だと思います。
金今、何年生の授業に入っているのですか?
李一~四年生すべてです。一年生が電気回路、二年生が実験、三年生がプログラミング、四年生がロボット理論と卒業研究です。
金学生はどれくらいいるのですか?
李一年生は専攻別ではないのですが工学科希望者が七人、二年から理学科と工学科に別れて工学科が九人、三年生の工学科が五人、四年の工学科が三人です。学生たちは高級部までの過程で工学について深く学んだことがないので、どういう学問なのかよく知りません。そのため当面は工学について幅広く学びながら自分が興味のあるものを探して、三年か四年になると研究テーマを決めて楽しみながら深く学んでいきます。
金人を育てる面白さのようなものを感じる時はありますか?
李今は面白さを感じるよりも、学生たちから学ぶことが多いです。
金どんなことを学んでいるのでしょうか?
李今の学生たちは本当にまっすぐで、自分の人生について深く考えています。同胞社会や自分を取り巻く情勢にも敏感で。自分が学生の頃はそこまで深く考えていなかったなと思います。そう考えると本当に学生たちが大切に思えて。学生たちがここでの四年間を後悔することなく過ごせるように、一秒でも多く意義深い学生生活が送れるよう後押ししなくてはと、今は必死です。今現在、学生たちの満足度は決して高くないと思います。カリキュラムも古い部分もあり、研究でも学生一人一人をフォローできればいいのですが、物理的にもむずかしく、学生たちのやりたいことはいろいろあるはずなのですが十分それに応えられていません。そんな問題を早く解決したいと思っていて少しずつ改善に取り組んでいます。
金素直な学生が多いようですが、個性もなくなってきているのでしょうか?
李いいえ、個性は相変わらず強いです。困らせる学生がいないわけではないですが、昔に比べれば本当に素直で、かわいいです。私もこれから工学で何ができるか楽しんで研究しているので、学生たちもこれから技術者として新しい分野を開拓して、ウリナラとも協力して同胞社会に貢献できる人材に育って、一緒にやっていければと思っています。そう思うと未来を担う学生たちが本当にいとおしくて、わくわくします。
金そういう時が来ると思いますか?
李はい、必ず来ると思います。今は制裁が厳しくて日本社会の雰囲気も良くないので、本名が使えなかったり、朝鮮大学校との関係を隠したりしなくてはやっていけないので、同胞の企業家たちは辛い思いをしています。でも情勢がよくなれば同胞技術者が力を発揮する時代が必ず来ると思います。学生たちには卒業後、企業で中心的な役割を果たすころには情勢も変わっている、広い視野を持って活躍してほしい、そのために実力をしっかりつけてほしいと話します。四年で卒業しますが、その後も連絡を取り合って一緒にやっていきたいと思っています。
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金策工大国際シンポで討論
祖国の技術者のように志を
金今回ウリナラに行って感じたことはありますか?
李今回初めてウリナラの研究者や技術者と交流しました。厳しい時期を乗り越えてここまでの発展を支えてきたウリナラの研究者、科学者の人生観を学び、それを学生たちにも伝えたいと思っていました。そういう視角でみながら、まず実力の高さに驚きました。理論水準も高くて、英語も使いこなしていました。一部インターネットも通じるので、主要な英語資料には目を通しているようです。最新技術についてもよく知っていました。
今回、金策工業総合大学に行ったのですが、ウリナラでは金策工大卒業生のことを「ホン・ギルトン」と呼んでいるそうです。どこかで新たな技術が開発された、工場で困っていたことが解決されたというと、そこに必ず金策工大の卒業生がいるそうです。日本と少しスタイルが違うと思ったのは、研究者としてずっと研究室にいるよりも、実践に出ている卒業生が多いことです。そのため論文や資料としては目に見えづらいのですが、「ホン・ギルトン」として人民たちに慕われているというところに、技術で祖国の発展に貢献するという志の強さを感じました。「青年突撃隊」という名前で学生たちが工場や企業に出向いて技術的に手助けするシステムもあるようです。
金学術討論会で質問攻めにあったと聞きましたが、どんな質問が多かったのでしょうか?
李朝鮮大学校の授業や学生数、レベルに興味があるようでした。自動化についてどのように教えているのかという質問もありました。ウリナラでは工場の現代化、自動化が重要なテーマになっているのだなと思いました。
金工場には行ったのですか?
李柳原靴工場と印刷工場には行ったのですが、行きたかった新しいトラクター工場やリョナ機械工場には行けませんでした。最先端技術がどこまで進んでいるのか見たかったのですが。朝大教員になって今回が初めての訪問だったので、今後期待したいと思います。
金策工大が70周年、共和国創建が70周年で、同じ期間を一緒に歩んできて今も一流大学として存在しているということは、ウリナラの建設と発展に常にトップとして貢献してきたということだと思います。大学の先生たちと話しながら、そういう自負というプライドを強く感じました。「工学では金日成総合大学に負けていない」とはっきり言っていました。プライドもそうですが、そのためにものすごく努力していると感じました。今回のマスゲーム「輝く祖国」は、ドローンもプロジェクションマッピングもすべて金策工大の学生が制御プログラミングを担当したそうです。かっこいいなあと思いました。朝鮮大学校の工学科の学生たちも将来の安定を求めるだけでなく、実力をつけて大胆な抱負を持ってくれればいいなと思いました。就職さえできればいいという風になってしまいがちですが、祖国の技術者のように、自分の技術で未来を開拓するんだという強い志を持ってほしいです。
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