誰もが活躍できる同胞社会を目指して
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活動家としてのキャリア期待されない女性たち
金最近特に話題になっている問題は?
李コアなメンバーは専従の活動家だったり、同胞企業で働いていたり、総連の中でがんばっている人が多いので、そういうところでの女性たちの処遇の問題は良く話題に上ります。この間ポグムチャリで生理の悩みを取り上げたんですが、総連組織で働いているトンムたちがたくさん来て驚きました。みんな悩みを抱えているけれど共有する場がないんだなと思いました。昔、人数が多い時は相談できる先輩の女性がいたりしたけれど、今は男性の中で女性が一人というケースも多くて、そういう悩みを共有できないんだなと思うと本当に胸が痛くて。
金実際にショックだったこと、たくさんあると思うのですが、特に印象に残っていることは?
李留学同で活動していたころは、男性だから、女性だからということは比較的言われなかったと思うんですが、まあそれでもいろいろ問題はありました。セセデ講習でウリナラに行ったときの経験はしんどい記憶として残っています。
他の団体のイルクンたちと一緒に一か月間参加したのですが、講習所の洗濯機が女性たちのスペースにしかなかったんです。それも驚きなんですが、さらにびっくりしたのは男性たちが自分たちの下着の洗濯を女性たちに頼むんです。それに対して朝大を卒業した朝青の女性たちが当たり前のように洗濯するんですよね。ショッキングな光景でした。「おかしい」と訴えたんですが、あまり受け入れてもらえなくて、あの時はしんどかったです。何か意見を言っても李全美の意見として尊重するのではなくて、女性たちがワーワー言ってるから聞いてやろうかというような男性たちの上から目線をヒシヒシと感じて、息苦しかったです。
金学校はずっと日本の学校?
李そうです。小学校から大学までずっと日本の学校で学びました。
金かつては、一世たちが日本に渡って来た当時の朝鮮の農村の、かなり封建的な文化を守ることが、民族性を守ることだと考える同胞が多かったようですが、最近の若い世代にもそんな考え方は残っているのでしょうか?
李留学同の中に、全くなかったとは言えないと思います。セクハラに対して指摘したり、うまくかわせる人はいいけれど、そうできない人は傷ついて泣いたりするような場面もありました。留学同の女性イルクンたちだけで女性協議会を作り、独自の勉強会や留学同内部での性差別についてアンケート調査をして少しでもジェンダーフリーな組織を目指して活動をしました。今思えばあの経験はとても大きかったと思います。
金社会に出て初めに驚いたことは?
李最初の日に職場に挨拶に行ったときに、「トンムも早く結婚しなきゃいけないだろ」と言われたことですね。その場で辞めようかと思いました。仕事初めに私がこれからどういう役割を担うかよりも、「結婚しなきゃいけないから」という話が最初に出ちゃう。結構絶望的ですよね。これは衝撃でした。
金女性を社会の一員ではなく、家庭の一員としてしか見ないということですよね。
李女性が対等ではないですよね。仕事をしていても補助職としてしか扱われないというか。例えば電話かかってきて「誰かいないの」といわれるんです、私が出ているのに。留学同で部長をしていた時に電話がかかってきて「誰か上の人いない?」と言われて、「今事務所にいる中では、私が一番上です」と答えると、「え?!」と驚かれたり。女性がそんな役職についているわけがないという反応なんですよね。そういうことはよくありました。
でも一番の問題は、特に若い世代、二十代の活動家の中に、「きれいに辞めるために結婚しなきゃ」という女性が多いことです。すごくもったいないと思います。今、朝青で活動していて、次のステップはここに行きたいとかいう考えがないんです。それは本人のせいと言うより、そう思わされてしまっている部分があると思います。だから結婚してきれいにやめるのが目標になってしまっている。
金経済的に自立できないからという問題もあるのかな?
李それもないとは言えないと思いますが、次の段階で、どこでどんな活躍をしてほしいという話が少ないことが問題だと思います。
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