誰もが活躍できる同胞社会を目指して
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拡散する運動、関西でも「ポグムチャリ」運営
金それ以外の活動も展開してるんですよね。部会のスタートはいつだったのですか?
李一六年前に人権協会の金静寅事務局長が「男女平等推進委員会」という名称で始めたのですが、問題意識の変化とともに、名称も何度か変わって、「同胞社会のための性差別撤廃部会」という名称で私と事務局をやってくれている朴金優綺トンムが担当するようになって八年になります。
金スタッフが変わることで大きな変化があったのでしょうか?
李金静寅事務局長は数名で集まって勉強会をしていたのですが、何度か参加しながら総連の中にこういう場があるというのは素晴らしいことだなと思っていました。そのうちに朴金優綺トンムが人権協会で働くようになって、「一緒にやりませんか?」と声をかけてくれたので、やはり小さな勉強会などから始めました。ところが意識が高まるとともに、それだけでは日本社会、在日朝鮮人内部も何も変わらないと考えるようになって、まず手始めに連続講座を開くことにしました。七年前だったと思います。
最初はセクシャルマイノリティーやジェンダーの問題を取り上げようとしたのですが、そこまでの反響はありませんでした。二年目に日本軍性奴隷問題をやらなくてはということで、これを主題にすると多くの人が集まるようになりました。自分たちが被害を受けている問題に関してはすごく積極的に参加するけれど、自分が加害者になっているかもしれないようなテーマではあまり人が集まらないという、意識の差が顕著に表れているというのは、問題だと思っています。
連続講座を続けながら、四年前から「4.23アクション」を始めて、それ以外に女性たちが集まる「ポグムチャリ」という場を運営しています。
「ポグムチャリ」は普段、職場や友人関係の中で連帯できない女性たちの憩いの場になっています。特に総連で働いている女性たちはいつも男性たちに囲まれて、例えば「生理がしんどいから休みたい」という話もし辛い。セクハラやパワハラに遭った時にどう対処するのかという大喜利をやったりして、辛い事について笑いながら、対処の方法を考える場になっています。
面白発想で始めた「ポグムチャリ」ですが、そのうちセクシャルマイノリティーの方たちも来るようになって、今はセクシャルマイノリティーの人たちだけの「ポグムチャリバージョン2」というのがあります。そこではセクシャルマイノリティーの人たちが普段気軽に話せない自分たちの思いなんかを吐露したりしているようです。そうこうしているうちに関西でも「ポグムチャリ」をやりたいということで、女性たちが集まって勉強会をしています。だんだん拡散しているなあと思います。
金連続講座は年に五回くらいですか?
李そうです。四回から五回くらいです。
金講師を呼んで話を聞いてディスカッションをするということですか?
李そうですね。人数はそのテーマによってですかね。有名な先生に来ていただいても、同胞内部ではあまり知られていなかったり、すごい企画だねと意気込んでとりくんだ企画には日本の人が沢山来たりして。私たちとしては総連の同胞たちに聞いてほしい内容をやっているんですがね。
金被害は実感しても、加害はなかなか自覚できないというのは事実ですよね。特にジェンダーに関しては何が問題で、その構図がどうなっているのかという認識がまだ一般化していないというか。被害から入って加害の問題に広めていくしかないのかもしれませんね。
李朝鮮人として日々被害を受けているじゃないですか。視点を変えれば加害についても見えてくるはずだと思うのですが、なかなかうまくいかないものですね。自分自身の反省でもありますが。
金活動はどうして広まっていったんですか?
李口コミですね。
金世代は?
李若い人たちが多いです。二〇代、三十代、朝大生や留学同の学生も来てくれます。メンバーに朝大の先生がいるので、授業で紹介してくれたりして。何も気づかずに四十代、五十代、六十代となってしまうとなかなか受け入れられないことも多くて、若い世代から変えていかなくてはと思ったりもするのですが、でも上の人たちにも来てほしいです。政策決定をするのは上の人だから。
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