在日朝鮮学生支援会・奨学生の声
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公益財団法人・在日朝鮮学生支援会は、在日コリアン学生の学びの権利を守り、就学を支援するとともに、日本と朝鮮半島の友好親善のかけ橋となる人材の育成をするための三つの事業を行っている。その一つが奨学事業である。
二〇一一年以降、二八一名に対して五七六〇万円(図表参照)を支援してきた。支援会に寄せられた、奨学生の声の一部を紹介する。(事務局)
年度別・奨学金給付状況
2011 | 16名・567万円 |
2012 | 34名・756万円 |
2013 | 51名・972万円 |
2014 | 48名・816万円 |
2015 | 48名・900万円 |
2016 | 45名・936万円 |
2017 | 39名・804万円 |
奨学生の声
この奨学金を受け取ったとき、軽いはずの紙切れがとても重く感じられました。それは、みなさんの愛情が詰まっているからだと思います。これまで僕は、たくさんの方々からの愛情や援助をもらってきましたが、初めて自分の手で受け取り、自分の目で確かめてもらったお金がどれほど貴重で大事なものなのかは、先生の言葉を聞かなくても十分理解できました。(東京、男子奨学生C)
公益財団法人・在日朝鮮学生支援会・私には大学三年の兄、一年の姉、中学三年の妹がおり、学費がかさみ、親への負担が増える中、三年前に私が発症した急性リンパ性白血病の治療費や、昨年起こった兄の交通事故による治療費により、経済面での父母の負担は多大なものになりました。そのような家庭の事情を抱えながらも、父母は朝から晩まで一生懸命働いて、高校での勉強の重要性を教えてくれました。それと同時に、今こうして充実した学校生活を送れているのは、この奨学金のおかげだと本当に感謝しています。このたび採用していただき、父母の経済的負担の軽減や私自身の将来への不安な気持ちも軽くなり、勉学に対する意識も高まり、前向きな気持ちで取り組むことができています。(広島、男子奨学生D)
大学進学を決めた頃から、父や他の家族たちに負担をかけたくないと思っていたので、支援会から奨学金をいただけることは大きな助けとなりました。私は、民族の言葉や歴史、文化を学び、そこで得られた誇りや想いを後輩たちに伝えるため、大学に進学し教師になることを目標にしています。支援をいただいた者として、みなさんの期待に応えられるようにがんばります。(大阪、女子奨学生E)
前までは家庭のために、高校を卒業したら就職をする気でいましたが、今回のこのご恩に報いるために大学に進学し、同胞社会に貢献するべく思い切り学びたいと思います。この先の人生で辛いことや苦しいことがあると思いますが、そういう時こそ今回のご恩への感謝の気持ちを忘れずに、日々精進していきたいと思います。(東京、男子奨学生F)
とてもうれしく思い、また感謝の気持ちでいっぱいです。この奨学金は、私が大学に進学するための入学金に使わせていただきたいと思います。(大阪、女子奨学生G)
僕は小学一年のときから父がいなくて、母が兄と僕を育ててくれました。その間、母の苦労している姿をいっぱい見て、何かできないかと思って応募しましたが、本当に選んでくれてありがとうございます。これを機に、大学で経営学を学び、経営者として家族や在日同胞のために生きていきたいと思います。そして、次は自分が後輩たちを支援する側になりたいと思います。(東京、男子奨学生H)
教師であった父は、私が大学二年の時に殉職しましたが、同胞の家を一軒一軒訪ね歩き、学生たちのためにできることが何かを常に考え、民族教育と同胞社会の発展のために献身的であった姿は今も目に焼き付いて離れません。父のようなひとになりたい。この意志と決意は少しも変わりません。(山口、女子奨学生I)
幼い頃から私たち兄弟が学校に通えるようにと、母は一人で朝早くから夜遅くまで働いていて、お金のかかる民族学校に通うのを諦めようと思ったときもありました。高校まで通わせてくれた母に感謝しつつ、今回このようなご配慮をいただけて本当に感謝してもしきれません。卒業後、私は就職して、今まで受けたたくさんの愛に恩返しをし、次は在日同胞と日本の社会に貢献するために努力していこうと思います。今回このように支援をいただき有難い気持ちでおりますが、なんとこの奨学金を日本の方々が資金を出してくださっていることを聞き、驚きを隠せませんでした。このご時世でも、このような愛に溢れた日本の方々がいらっしゃることを本当に心強く思いましたし、日・朝関係が一日でも早く良くなればよいのにと強く思いました。今後、少しでも役に立てるように努力し、貢献していきたいと思います。(愛知、女子奨学生J)
このたびは、僕を選んでいただき本当にありがとうございます。…同胞たちが安心した暮らしができるように、自分がそのかけ橋になろうと思います。立派な社会人になり、家族や在日同胞のために生きていこうと思います。(東京、男子奨学生K)49