感謝を胸に 共和国、総連の正当性示していきたい
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インタビューを終えて
金淑子・編集部
一二月(二〇一七年)に小山駅のコーヒーショップで話を聞いた。ラガーマンだったというがっちりした体格に、武闘家のような礼儀正しさが印象的だった。
インタビューを始めると、投げかけた質問の意味をかみしめるように、少し間を置いて答が返ってきた。
活動家という仕事に「同胞たちが在日朝鮮人として生きていける環境を作っていかなくてはという使命感を感じています」「私たちの伝統の底辺にはいつも愛国愛族の魂が流れています。正しく導いてくれる共和国と総連の正当性を自身自分の姿で示したい」という思いで臨み、厳しい現状の前では「腹を割った話をしていなかったのか、腹を割った話がどういうものなのか、ウリハッキョをどうしていこうかという話なのか、当事者意識なのか、政治情勢が厳しい中で自分の立場をはっきり示してこなかったのか…など」と自身を振り返る。
「目標に向かう過程で闘わなくてはいけない時も耐えなくてはいけない時も、いろいろあるんだろうなと、その先って何なのかなと。在日朝鮮人の根本問題解決ー過去清算と祖国統一問題が解決した時に在日朝鮮人が次のステージで新しい時代の主人公になれるのかなと。でもそれは漠然とした夢で、そのために今何からすべきなのかなと。支持者を増やしていくためにももっと勉強しなくてはいけないと切実に感じています」「今の活動でも本当はもっと選択肢があるのに、気づいていないのではないか、立派な戦いをしているといいながら、ハッキョを守るためにどういうことができるのか、案が乏しいし、もっと創造的になるべきではないかと思います」と、勉強の必要性を実感しているという。
インタビューを終えて尋ねたハッキョでのオモニ会アボジ会主催のクリスマスパーティでは、最後に教員たちと一緒に文委員長にもプレゼントが贈られた。同胞たちが文委員長を大切に思っている様子がひしひしと伝わってきた。
この日栃木を訪ねたのは三度目だった。初めて八月の納涼祭を訪ねた時、焼き肉をつまみながら、ウリハッキョを守るため数年前に民族教育対策委員会を作って活動しているという話を聞いた。十月の60周年行事では大雨の中、体育館を埋めた大人数の同胞たちに驚いた。一年生の漫談が観客の笑いをさらった。三年ぶりの一年生だという。シンポジウムでは、オモニやアボジ、先生たちの「ハッキョを無くしてなるものか」という切実な思いが語られた。そして今回、そこで活動する文委員長の深い胸の内を聞いて、「栃木のホンキ」に改めて触れたような気がした。
文委員長は栃木県の成人式で、ウリハッキョの卒業生が「コマプスムミダ」とあいさつをするのを見て、「一日二日ではなく、何年もの間、民族教育が培ってきたものの大切さを実感した、民族教育はやはりいいな」と話していたが、文委員長をインタビューして、こんな朝青活動家を育てるウリハッキョ、ウリコミュニティはすごいなと思った。47
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