ハッキョサラン全国に伝え 通学バス購入資金作る
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減少する世帯数、改革が必要
河はい、働いています。職種にもよりますよね。自由が利く仕事もあれば、そうでない職業もあるし。そこらへんも考慮しながら、できるだけ仕事を犠牲にしないようにしてやっていこうという方針になっています。二、三年後には世帯数も減るのでオモニの人数も減ります。
秋やることは増えているのに、オモニの数は減っていて、負担が大きくなっているんです。
河だから先を見越して改革をしなければいけないんです。今まで長年やって来た体制では無理が出てきています。卒業していった後に、新しく入ってくる世代の人数が少なくて。大体兄弟で通っていて、新しい世帯が増えるということがあまりないんですよね。
金それは学校にとっても不安ですね。
河今、三、四、六年生のクラスが九人で一番多くて(昨年度)、その後少し途切れて、最近また結婚出産が増えてはいるので、入ってくるとは思うんですが。
金じゃあ、間が空いているということなんですね。
河今、一歳、二歳の子どもがいる新しい世代はいるんですが。
金卒業生は基本的に子供をウリハッキョに送っているのでしょうか?
秋そうじゃないから減っているんですよね。それでも田舎の学校としては、長野はまだ多い方です。
タンブラーの注文殺到
金今現在、オモニ会の活動としてはどんなことをしているんですか?
秋ずっとやっていることとしては麦茶や冷麺、キムチを売ったり、販売事業です。
金キムチはオモニたちがつけるんですか?
秋大阪から安く仕入れて売っています。
河年間を通じていろんな物品を販売しながら、利益を得てオモニ会の財政を確保しています。それで、子どもたちが学校行事で遠方に行くときなんかにいくらかずつ補助しています。
金販売対象は同胞ですか?
秋最近は日本の方も増えています。
河数年前は自分たちが仕入れて、自分たちが買っていましたが、それじゃあダメだということで、全国に販路を広げることになりました。友だちの友だちへと、どんどん広がっています。キムチも毎月自分たちが食べる分を頼んでいましたが、「一度食べてみておいしかったら注文して」というふうに宣伝してくれるオモニたちが何人かいて、今注文する人が増えています。
秋実際においしいんです。どんどん注文が増えて、キムチは人気です。今では冷麺なんかもどこでも買えるけど、ここのが美味しいって買ってくれる人が多いです。義理だけではなくて。
金義理では続かないですよね。タンブラーはいつから?
河去年の今頃に発案されて、四月から
秋総会でこれをやろうと思いますと発表して、どんどん広がっていって。フェイスブックにも出したんですよね。そしたら注文が全国から来るようになって。
河殺到してどうしようと。困った、困ったと。
秋去年は本当大変でした。
金順番待ちだという話は聞きました。
河はい、気が付くと注文が入っていて、送り先や入金を確かめて、大変でした。
秋財政部長を彼女(河さん)が担当していて。
金大変でしたね。
秋入金が確認されて発送するので、彼女は仕事をしながら通帳とにらめっこ。
金なんでタンブラーをやろうと思ったんですか?
秋きっかけは前の年度のバザーの体験コーナーで、チョゴリノートづくりというのをしたんです。そのチョゴリをタンブラーにしたらどうかということで。
河中身はノートなんですが、それにこうしたチョゴリのカバーを作ったんです。その時はその場だけでやるつもりが、ハッキョのフェイスブックにバザーの様子を載せたら、ノートがほしいという注文が殺到したんです。ほんとはその場だけだったんですが、追加して作って何人かに送ったんです。
金もともとこういうことを趣味かなんかでする人がいたんですか?
河趣味というわけではないんですが、手先が器用でアイデアを持っている人がいて、チョゴリにしたらいいかなと。
金バザーではそれぞれがその場で作ったんですか?
河キットがあって簡単にできるタイプでした。そのあと、コーヒーショップでオモニたちが集まって、キムチとか麦茶を売るだけじゃなくて、他にも何かできないかと話しているときに、ノートがあるなら、タンブラーもいいかも、とあるオモニが発案したんです。それで試行錯誤しながら試作を作りました。
秋実はオモニ会の中に企画開発部があるんです。
河同じのは二つないんです。みんな違うんです。作ろうとすれば作れるんですが、同じのは作らないことにしたんです。みんな作り手によって違うんです。
秋そうです。作る人が違うから。その人のセンスもありますし。
河いくつかパターンを作って同じように作れば楽だったかもしれません。でもそれでは面白くないということで。
秋世界に一つだけのタンブラーなんです。
金作るのにどれくらいかかるんですか?
秋いろいろデザイン考えながらやると四〇~五〇分かかります。
金切るのも入れてですか?
秋パーツを切ったり、下準備は前もってしておきます。家で内職したりして。
河パーツも一つ一つ手作りなんです。
金下準備も大変ですね。
秋それを担当してくれるオモニたちがいたのでできました。
河手間暇がかかっています。
秋韓紙にこだわったので、仕入れ値も決して安くなかったですが、こだわるところはこだわりました。
金でも長野ハッキョの宣伝にはなりましたね。
秋なりましたね。
金オモニたち、総動員ですか?
河一年を通じてオモニたち全員が二度以上は作業しました。幼稚班組、低学年組、高学年組、中級部組とグループを分けて。
金家で内職のようにした人もいるし、出てきて作業した人もいるし。
秋そうです。もちろん苦手なオモニもいるので、そういう人たちには、パーツを切ってもらったり、それぞれできることをしてもらいました。そういうのも苦手なオモニには子どもを見てもらったり。
金ひと月に一回くらい集まったんですか?
河そうですね。
秋でも役員は一年の三分の二くらいは出てきていたんじゃないでしょうか。宣伝部長や幼稚班の責任者は本当に毎日のように出てきて作業していました。発送作業もあったので。
金一ついくらで売ったんですか?
秋千円です。
金送料は?
河数によってです。
金今も引き続き作っているんですか?
秋今は在庫のみで、今後は大口に関しては要相談ということで、一つ二つは仕入れも大変なので。
金大口というのはいくつくらいから?
秋やはり十個以上でしょうかね。
河まだ細かくは決まっていません。
秋一旦タンブラーはこれで打ち切って、また新しいことを考えています。
河新しいことを新しい役員たちで、考えています。
金タンブラーは全部でいくつ売ったんですか?
河ノートとタンブラーそれぞれ六百強ですね。
深まったオモニ同士の絆
金それで通学バスを寄贈したんですか?
秋はい。この売り上げと販売事業の収益金、そこにコツコツためてきたお金を足して、バス購入の手助けになればと。
河二〇一六年度は、お金も産もうという目標で、タンブラーを作ったり、キムパプとか焼肉のたれを作ったり、これまで以上に資金集めに奔走して、百万円残しました。それにこれまで崩さないでつないできた繰越金を足して、バスの購入に充ててくださいと、年度末に百五十万円を寄贈しました。
秋全額には至らなかったんですけれど。去年、女盟や青商会、支部が頑張って集めたお金で一台、購入したんです。でももう一台もだめということで、去年の四月のオモニ会総会で、バスを購入するための財源づくりを活動目標にしました。今年はお金儲けの年にしようと。
金実際に財源を作ったわけですが、その過程でそれ以外の成果もありましたか?
秋オモニ同士の絆がより深まりますよね。そういう活動を通してお互い深くかかわるし、距離も縮まって。
金目標もはっきりしていますしね。
河全国に長野ハッキョが知られるようになったので。
金タンブラーとかノートを見て長野オモニ会は面白いことをするなと思った人は多かったと思います。次は何するんだろうと期待している人も。
河オモニ会のフェイスブックを作って、SNSで全国発信したのは二〇一六年度が初めてでした。うちうちでやっても自分たちの首を絞めるだけだなと、だったら広めようということで。
金やりながら楽しいこともあるけれど、最後の方はつらくなかったですか?
秋最初の方がつらかったです。マラソンで言うと、はじめからダッシュしているような。
河こういう通販は誰もやったことがなかったから、入金をどうしようということから始まって、発送をどうしようとか。
金いつ頃から注文が殺到するようになったんですか?
秋フェイスブックに載せると、すぐでした。
河すぐに在庫の数を上回って、慌てて作らなきゃという感じで。そんなに殺到すると思っていなかったんです。それでいったん注文の受付を中止したんです。これでは作っても作っても間に合わないということで。
秋仕事や家のこともあるし、これだけ合宿して作れるんならいいんですけど。
河そういうわけにもいかないし、ホント予想以上の注文で。
金じゃあ、夏休みも?
秋出てきましたね。子どもたちもクラブ活動があるので、子どもと一緒に親も登校して。本部委員長が、女盟室をオモニ会の作業場として貸してくださって、そこをたまり場に、材料も置かせてもらって作っていました。朝から下校時間まで缶詰でやっていました。すると本部委員長が差し入れをもってきてくださったり…。今年度は本部委員長とオモニたちの距離も縮まりました。(笑)
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