会って、話して、理解しあえる社会を目指して
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侵略の歴史に触れない外国人学校
金外国人学校やインターナショナルスクールもそれぞれ特徴があると思うのですが。
こうのすけ昨日、神戸中華同文学校の出身者と会いました。中国人強制連行裁判を傍聴したのですが、被害者の娘さんの証言があって、僕は言ってることの二〇分の一くらいしかわからなかったといったら、彼女は謙遜でしょうが、半分くらいしかわからなかったということでした。中華学校は初等部・中等部だけで、高等部がないので、ほとんどの卒業生は日本の高校に行くんですよね。彼女の場合、高校はカナディアンスクールに行って、大学はアメリカに留学したそうです。中国語の運用能力が小中学校九年間だけではなかなかつかないんですね。
中華学校には日本人の子どもも入っていることは知っていたんですが、彼女と話していてびっくりしたのは、そのために、授業では政治的な内容はほとんどやらないそうです。中国共産党の歴史や中華人民共和国の建国のことも年表程度で、詳しくはやらないと。保護者もそういうことは望んでいないみたいでね。中国語や英語を熱心にやってくれることがありがたくて、日本人の保護者は、学校に送る節があるみたいですね。
彼女が言うには、日本人の子どもがしんどい思いをしてはいけないというので、日本の侵略のことは配慮してあえてやらないと。中華学校は中等部までしかなく、日本の高校に受かるかという進路指導の方に力を入れていると聞くと、これで民族学校・外国人学校といえるのかなと思わなくもないですね。
朝鮮を話題にできる日本学校・日本社会に
こうのすけ人口的に圧倒的に少ない朝鮮人が、今の六〇数校という学校数では通いたくても、物理的に通えないわけでしょ。そしたら逆の課題で言ったら日本学校がもっとしっかりせいと思います。僕は朝鮮学校に関心がありますが、裏返してみれば、日本学校がどう変わっていくかということも大きなテーマであるんです。特に大阪府では橋下維新のもと、教職員に対する、卒入学式の時、「日の丸」「君が代」の強制がまかり通り、日本人も非常に窮屈な思いを強いられています。こんな中で、マイノリティが伸び伸びできるわけがありません。
公立小中学校に設置されている民族学級も大阪市の場合は一〇六校もあり、朝鮮半島にルーツがない子は入れないという原則を貫いています。八尾市では朝鮮人だけでは人数が少ないから日本の子もいいよと。放課後、週一回の課外でやっているんだけどね。チョゴリやオッケッチュムがかわいいからと日本人の子が行くわけですよね。そんな安易な考えで行っていいのかともいえるんだけど、チョゴリを実際に着てみることも大事だし、チョゴリの後ろにある思いというのも考えるようになるし、朝鮮人の子どもともその話題で話をするじゃないですか。
僕が今学生に危機感を感じているのは、中学・高校時代に朝鮮人の友達がいたけど差別はなかった、在日朝鮮人のほうも差別されたことないと言っていましたというけれど、そんなはずはないわけ。アルバイトに行くときや就職とか結婚のときとか、なんかかんか出てくるわけでね。そのこともわかったうえでお付き合いしてほしいです。一緒に勉強するにはまだまだ課題は多いかもしれないけれど、圧倒的多数の九割は、日本学校に通うから、どっちかというと日本学校の原学級で、担任の教師を含めてつねに何らかの形で朝鮮のこと話題にするのがいいと思います。もちろん民族学校・外国人学校に対しても制度的な差別をしないというところまでもっていく必要がある。
僕は卒論で朝鮮人学校を閉鎖した前後のことを扱ったので、敗戦後・解放後七〇年たってこれか、また朝鮮学校をつぶそうとするのかと思います。法律でつぶさなくても、兵糧攻めで、あるいは政令改正でつぶすのかと。4・24阪神教育闘争のことを学んだからには、また繰り返させないためにどうするかということで、ない知恵絞っているところです。そのためにはもっと多くの人に関心をもってもらうしかない。
金先生同士の交流がもっと盛んになればいいんですけどね。
こうのすけむずかしいですね、現状では。組合がきびしい状態で、いま北大阪の支える会のメンバーにも現職の中学校教員がいて、大阪の教組も弱体化して動けないとおっしゃいます。朝鮮学校に見学に行くというだけで「あの北朝鮮の学校行くんか」というような管理職からの目があって、「行きたいと思っても芸術発表会でも今は行きにくいのよ」と言っていました。日本社会ってそこまで閉塞しているのかと。しかし、本当は同じ教育者として朝鮮学校の先生とも交流してほしいし、交流できることはたくさんあるでしょう。
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