特集)創立60周年を迎える朝鮮大学校
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詩・誇らしい、われわれの大学!他三篇
南時雨
誇らしい、われわれの大学!
この日のために
どれほど多くの悔しさに
耐えてきたことか
学校の門前にも
行けなかった昔だけではない
海を越えて、祖国の希望に満ちたニュースを胸に
われわれはこの日のために
どれほど耐えてきたことか
胸の奥深くに秘めた誓い
幼いわが子だけは
明るい世界で 目を開けて生きてほしいと
異国の地をさまよいながら
こつこつと、教室を立て、庭を築いて
私たちの旗を青空になびかせて
迫害や蔑みを耐え抜いた私たち
だから、私たちは知っている
何が
育ちゆく若い世代の前に立ちはだかり
花咲く我々の道を再び曇らせる者が、どこにいるかを!
これからは五万の障壁を打ち崩して
われわれの念願の道
幸せな祖国への道が開かれる
闘い勝ってきたわれわれの歩み
ひときわ堂々と 足取りも高く
命がけで守ってきた共和国の旗
高く空になびくここ
誇らしいではないか 同胞たちよ
この国の首都を足下に見下して
四方に誇示するように
雄大な私たちの大学が頭を挙げた!
優れた先祖たちがかつて
文明の種をここに撒き
過ぎ去った半世紀、暗澹とした夜には
兄弟たちの苦役の血が染みた
ここ、隠者の地「武蔵野」の中央に
前にはこの国の首都の生命水が流れ、
「青梅」街道の茂る緑陰に囲まれた
今日は栄光の民族―信念を掲げて
われわれの大学がここに建った!
輝くガラス窓も
心があるかのように 息が熱いかのように
レンガの柱も、花壇の花や葉も
うれしくて笑いながら歌を歌っているかのように
今日は、すべてが私たちの栄光の道を
祝福して拍手を送ってくれている
今私たちの心の中に
熱く脈打って流れるもの、
感動と興奮の中で
ひとえに感謝し 頭を下げるのは
唯一、祖国と領袖を敬うから
再び栄光をささげよう
そしてこの日に限ってひときわ
祖国への思い、高まるばかりだ
領袖の言葉を心に刻んで
こうして幸せの中で、目頭が熱くなる!
ああ、声高く告げよう
この地で身もだえする
敵の妨害を蹴散らし
私たちの大学―科学の殿堂を
ここに実現しよう!
栄光に満ちた前途を照らして
勝利の信念を熱く燃やして
私たちの誇り―民族の鼓動を
ここに高く響かせていこう!
六月一三日 朝鮮大学の新学舎祝賀会で
屋上で
はっきりと目に浮かぶようです。
高いここ四階の屋上に立てば
立派な通り、協同の村々が
懐かしい兄弟、会いたいなじみの人々
広い屋根の上に美しい夕日が映え
ぐるりと囲んだ私たちの学舎
どっしりとした石の柱の下に今
ひたひたと暗闇が迫っているのに
ひときわ暖かく感じるのです。
吹き付ける冷たい風も
遠くや近くで瞬く星も
すべて彼らの息吹、ささやきのようで
まだ耳に残る
楽し気な朗読の声、明るい笑いが
今も優しくこだまするように
はっきりと耳元によみがえるのです
新しくなります。新しくなります。
さまよっていた歳月、こうして日の落ちる丘で
心の置き場もなく 身もだえする悲しみが
何よりも、尊い私たちの血の跡が。
今日は高くそびえる煙突が
各階の私たちの学舎の教室すべてが
不屈の意志を見ろと言わんばかりに
翼を開き羽ばたく希望を物語るように
誇らしいです。この上なく
私の愛も、私の幸せも
心に染みた血の願いも
花咲く一つの道が開けたから
そんな思いで階段を登り
いつものようにここ、屋上に立つと
そう 私は力がみなぎるのです。
「千里馬」を鞭打つ騎手のように。
ありがとうございます スリョンニム
新居に入居した数日間は
じっとしていられないものだ。
柱や壁を何度も撫でて
窓を開けたりしめたりして。
今も私は ほんの少しもじっとしていられない
暇さえあれば上に行ったり下に行ったり
同じ部屋の同じドアを何度も開けたり、閉めたり
見るほどに新しい家は心にしみる
実験室、階段、教室、機械、工作室…
心も新たに ゆっくりと歩いていくと
誰かの丁寧な文字が
通り過ぎる私の歩みを止めた
「ありがとうございます スリョンニム」
新しい黒板に一生懸命書いた文字
まだ書きなれていないその文字が
明かりでも灯したように部屋を明るくする
しばらく立ったまま呆然とする私
われに返らなくてはと、机に目を移すと
毎日訪ねてくる喜ばしい客たち
オモニ、アボジ、そして少年団の子どもたちが浮かぶ
そんな時、諭すように、告げるように聞こえた言葉
探さないで文字の主人を
静かに黒板の文字を読んでみて 今更のように知った
それが私の言葉、私たちみなの心のささやきであると
言葉に尽くせない
この言葉に込められた私たちの思いを、深い事情を。
なぜか火花が散るように
胸の中に温かいものが流れる
「ありがとうございます スリョンニム」
もう一度、一画一画をなぞっていると
私にまなざしを向けて 正面の壁から
首相が優しく答えてくださる
*「スリョンニム」とは、金日成首相(当時)のこと