ハッキョ(学校)を支える実のある地域活動を
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少人数ながらレベル高い
大阪朝高吹奏学部
金生徒指導もするのですか?
李大阪朝鮮高級学校と東大阪朝鮮中級学校の吹奏楽部の指導もしています。これは吹奏楽団としてというよりは、それぞれの団員が個人的にすることが多いですね。特に朝高には自宅が近いので、よく行きます。東大阪朝中には要請があればその都度行くようにしています。
金吹奏楽でも世代間の違いはあると思うのですが。
李まず東大阪朝中と大阪朝高の吹奏楽部の編成が全く違います。東大阪朝中の吹奏楽部員は三五人ほどいるのですが、大阪朝高の部員は一七~一八人ほどです。東大阪朝中から大阪朝高に進学する生徒が減っていて、進学しても吹奏楽を辞めてしまう生徒も多いようです。朝高の部員の減り方が気になっています。
金そうなると楽器の編成に偏りが出ませんか?
李そうならないように何とかしているのですが、ただ人数が減ると響きが薄くなります。
金合奏ではなくアンサンブルになってしまいますね。
李先生の指導で素晴らしい演奏にはなっているんですが、どうしても響きが薄くなってしまうので、残念です。
金自分たちが学生だった頃と今の朝高吹奏楽部を比べるとどうですか?
李僕たちが学生の頃の吹奏楽部はめちゃくちゃでした。今の吹奏楽部はほとんどが女の子です。僕たちの頃の吹奏楽部は、ほとんどが男子で、一応楽器は持たされていますが、音楽をするというより、応援団のようなものでした。先輩後輩の関係も厳しかったですし。今の吹奏楽部は昔とは質的に全く違うクラブです。朝高の場合は一六、七人のうち男子は二人だけです。東大阪中級学校に至っては、三十数人の中で男子は一人だけです。
金音楽的にはどうですか?
李朝高の吹奏楽部は音楽的にレベルが高いです。ユン・チュンシン先生の指導の素晴らしさを感じています。東京朝高を出て朝大の音楽科を卒業した後、大阪で長く音楽の先生をしてらっしゃいます。大阪の文学芸術同盟の委員長でもあります。指導がいいんです。厳しいから指導に耐えた生徒たちが常にいい演奏をできる状態になっています。朝鮮学校の学生芸術共演大会でもこの数年ずっと金賞ですし、日本の合奏コンクールでも大阪東部の地区予選は突破しています。四、五年前になりますが、地区予選と府大会を通過して、関西大会で金賞を取ったこともあります。小編成の場合は全国大会がないので、関西大会までなのですが。
金今の生徒たちは生活を通じて音楽に接することが多いですよね。
李環境的には恵まれています。ただ世代が四世、五世となってきているので、どうしてもウリ(私たちの)音楽に対する感覚の違いはあります。民謡にうまく乗れないチャンダンを体でとれない。音楽の理論としてしか入ってこないという。なかなかむつかしいようです。
金それでも四世や五世がウリ音楽を演奏する姿を見てどうですか?
李すごく大切なことだと思います。在日朝鮮人がこれからも民族性を持ち続けようとするなら、どうしても民族の文化には重点を置かなくてはいけないし、民族の文化を日本できちんと発展させなくてはいけません。今いろいろとややこしくなっていますが、祖国とのパイプが太くなって、祖国から人が来て指導できればいいんですけれどね。
金大阪朝高には民族器楽部もありますよね。レベルが高いと聞いています。
李あります。朝高にも、東大阪中級にも北大阪中級にもあります。それぞれみんなレベルが高いです。
金合同演奏会をしたりするんですか?
李それが去年の総連結成五〇周年の行事でした。大きい行事の時には一緒にすることもあるんですが、そうでなければなかなか一緒にする機会はありません。
金合同で演奏会をしたりはしないんですか?
李各々、毎年定期演奏会をしています。定期コンサート以外に一昨年から大阪府内の吹奏楽部のためのチャリティーコンサートをやっているのですが、そこには府内のハッキョの吹奏楽部と一緒に民族器楽部も参加しました。吹奏楽と民族器楽では音色が根本的に違うので、演奏できる曲も限定されます。弦の音と官の音を合わすとなると、どうしても官の音が強くて、バランスをとるのがむつかしいのです。
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