ハッキョ(学校)を支える実のある地域活動を
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インタビューを終えて
金淑子・「記録する会」
二月の中旬、近鉄布施駅近くの李光錫さんの会社応接室で話を聞いた。今回は在日朝鮮人運動の基本に立ち戻ろうと、李さんにインタビューをお願いした。どんな質問にも、戸惑うことなくはきはきとした答えが返ってきた。地域の活動や管弦楽団について常に考え、動いているのだろう。
三月にチャリティーコンサート、四月には支部の花見、六月と七月には吹奏楽団のコンサート。そのかたわら一月に一度は分会の同胞宅を「元気ですか?」と訪ね、支部常任委員会に参加し、日曜の午前中には同胞たちとソフトボールで汗を流す。会社を営みながら、一年や二年ではなく、分会長を始めた一八年前から日課のようにこなしてきたのだろう。根底には、「分会というのはなんか楽しいところなんだ」という幼いころのイメージがあるという。
今、各地で朝鮮学校の児童・生徒数の減少が深刻化している。地方で存続の危機にあるハッキョは一校や二校ではない。そんな中「地域がしっかりして、地域で人が育ってきて、その人たちの子どもが学齢期になったらウリハッキョに送る、そういうことをきっちりと地域でできるようになるということがすごく大切だと思います」という李さんの言葉は、私たちに改めて「ウリハッキョ」の歴史と意味を考えさせる。
李さんと同じ支部に住む韓哲秀さんは、二月に大阪で行われた「朝鮮学校高校無償化全国統一行動全国集会」でのあいさつで、「植民地主義者は巧妙に私たちを分断しにかかります。その策略に私たちがまんまと乗ってはいけません。学生は悪くない。悪いのは総連だ。悪いのは北朝鮮だ。こんな言い分で、私たちの連帯にくさびを打とうとしてくる。私たちは奴らの言い分を冷静に分析して『内部分裂しない』こと。そして、一人でも多く連帯の輪を広げること。これが何より大事なことだと思います」と述べた。今回のインタビューには、そのための経験に裏付けられた大切なヒントがきらきらと輝くようにちりばめられていた。
老いも若きも、男性も女性も、既婚者も独身者も、心ある地域の同胞を一人も取りこぼすことなく「基本組織」につなげていくために知恵を絞って、実践していかなければ、もう時間は待ってくれない。36
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