元気を出して、私たちがいる あきらめなければ、必ず勝利する
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インタビューを終えて
金淑子・「記録する会」
四月八日にソウルの地下鉄西大門駅近くにある事務所を訪ねた。「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」共同代表の孫美姫さんと常任運営委員の曺源虎さん、事務局長の呉ハナさんが迎えてくれた。孫共同代表から前日にメールがあった。「セウォル」号沈没事故の特別法施行令案の廃棄と船体の引き揚げを求めて今日から断食闘争に入ることになった。そんな事情で約束の時間を午後にずらしてほしいということだった。
孫共同代表は釜山出身で、一時は盧武鉉元大統領と一緒に活動したこともあるという。彼女の「私たちが(朝鮮学校を)支援することがはたして助けになるかどうか、考えてしまう」と言う言葉に、一九九〇年初め、真冬の東京の本社前で凍えながら座り込み闘争をしていた韓国の女性労働者たちの姿が思い出された。ある日突然ファクス一枚で通告された「解雇」の撤回を求めていた。朝鮮新報社の記者をしていた私は、遠巻きに彼女たちを取材した。新報社の記者が近くにいる写真でも撮られようものなら、彼女たちは「アカ」の烙印を押され、解雇撤回どころではなくなる。寒さに凍える彼女たちに温かい缶コーヒー一本差し入れできないもどかしさで、胸が痛んだ。
あれから二五年、韓国の人たちと在日朝鮮人の連携は当時想像もできなかったほど盛んになった。しかし私たちを阻んでいた壁がすべて砕け堕ちたわけではない。残骸に足を捕られないよう、きれいに排除しなければならない。31
*写真は孫美姫さんのfbから