元気を出して、私たちがいる あきらめなければ、必ず勝利する
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孫美姫・ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会共同代表
1964年9月生まれ
全国女性連帯 常任代表
戦争反対平和実現国民行動 共同代表
ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会 共同代表
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〈「セウォル」号について〉
真相究明渋る政府 癒やされない遺族
金淑子昨日(4・7)から、「セウォル」号沈没事故の真相究明を求めて断食闘争に入られたと聞きました。
孫美姫セウォル」号の惨事は、国内だけでなく世界にも広く報じられました。昨年四月一六日に、安山(アンサン)市にある檀園(タヌォン)高校の生徒たちを乗せて済州島に向かった旅客船「セウォル」号が沈没し、三百人以上の犠牲者を出した事故です。時間が経つにつれて単純な事故では済まされない状況が次々と明らかになりました。事故が発生した時の船長や船員、海洋警察の対応はもちろん、その後変死体となって発見された運航会社の実質的オーナーである兪炳彦(ユ・ビョンオン)会長の遺体も本当に彼なのか定かではありません。多くの疑惑が持ち上がっているのです。
事故以来、遺族や彼らを支援する市民団体は、事故現場近くの全羅南道珍島郡にある彭木(ペクモク)港からソウルまで五〇〇キロ以上の距離を行進したり、断食をしたり、署名を集めたりして、真相究明と責任者処罰のための「『セウォル』号特別法」制定を求めてきました。そうしてようやく昨年十一月に法が公布されました。捜査権、起訴権が抜け落ちているなど、遺族が望んだものとはかけ離れた内容でしたが、いつまでも時間を引き延ばすわけにもいかず、同法に基づいた特別委員会の結成を見守ることにしました。ところが政府は特別委の構成や予算案の処理を一か月以上も引き延ばした上に三月二六日、組織の規模を特別委側の要求案より大幅に縮小した施行令の最終案(定員一二〇人→九〇人、予算一九二億ウォン[当初二四〇億ウォン]→一三〇億ウォン)を特別委に提出したのです。規模の縮小だけではなく調査を受けるべき海洋水産省の公務員が責任者になっていたりして、これではとても十分な真相究明は望めません。
そんな状況で遺族たちは再び昨日から、青瓦台(大統領府)近くの通りで頭を丸めて断食座り込み闘争に入ったり、安山市からソウルにデモ行進したりして、施行令の廃止といまだに沈んだままの「セウォル」号の引き上げを求めています。賠償金の話などしたこともない遺族に対して、政治家や報道は、彼らの要求が金目当てであるかのような発言を繰り返して、彼らを貶めています。これでは遺族の怒りは収まりません。心の傷はますます深くなっているのです。
遺族たちの要求を支持する署名は六百万筆以上集まっています。これまでの韓国内の署名運動で最も多い署名です。四月一七日金曜日には市庁広場で、四、一六〇本のキャンドルで沈没する「セウォル」号の姿を再現して、ギネスブックに登録する予定です。ギネスブックに登録されることで全世界の人が関心を持つのではないかと、韓国政府が外部からの圧力を受けて動いてくれればという思いからです。内部の訴えだけでは足りないようなので。キャンドル集会の参加者から一万ウォンずつ募って登録手続きを進めるつもりです。事故が起きた昨年四月一六日以前と以降の韓国が違わなくてはいけません。安全よりもお金を貴ぶ、人の命をおろそかにする社会を、四月一六日の痛ましい記憶で変えなくてはいけないのです。
人命軽視の風潮断ち切るために
金二十年前に聖水大橋が崩壊した時も多くの生徒たちが犠牲になりました。あの時と社会の受け止め方はどう違うのでしょうか?
孫「あの事故も安全を二の次にした資本主義の問題でした。業者が建設費を横領して手抜き工事をしたことが事故の原因と言われています。それでも不十分ながら家族との合意の過程があったと思います。その後も韓国ではいろいろなことがあり過ぎて、記憶から消されていきました。
しかし今回の「セウォル」号事件では、申告したのに救助にも来ないで、ようやく来たと思ったら船長だけ助けてほかには救助もしませんでした。船内放送で乗客に「その場を動くな」と言っておきながら船長だけが下着姿で逃げ出したのです。彼はその夜、警察署長の家に泊まったと言います。救助隊はなぜ救助活動をしなかったのか、船内でなぜ「動くな」と言う放送が流されたのか、疑惑だらけの事故です。おまけに「セウォル」号を所有する船舶会社の実質的オーナーの兪炳彦は、国家情報院の指示を受けて動いている人です。「セウォル」号は国家情報院の船だとも言われているのですが、国家情報院は違うと主張しています。一九八七年の大韓航空機事故も疑惑だらけの事故でしたが、それに勝るとも劣らない疑惑まみれの事故なのです。今この事故の真相を究明しなければ、人命軽視の風潮を断ち切ることはできないという危機意識が強いのです。
過ちは誰にもあります、もちろん政府にも。過ちを認めて、原因を明らかにして、二度と同じことが起こらないようにすることが大切なのです。ところが、過ちを認めるどころか、子どもが死ななくてはならなかった原因を明らかにしてほしいと抗議する親に「アカ」のレッテルを張って犯罪者のように扱う。それが今の韓国の現状なのです。
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